忘れてはいけない!

11年前の今日、あの忌まわしい大震災が発生した。信じられないような多数の死傷者、戦場のように破壊され、燃え狂う町並み、まさしく地獄のような状況でした。
この頃の私の病状は、酸素吸入はまだしていませんが、肺気腫は着々と侵攻し、日常生活の中で、不可解な息苦しさを感じながら、仕事も続けていました。そんな体調の中の震災は、木造二階建ての我が家は半壊、一人住まいの義母のうちは全壊、神戸の姉のうちは全壊、それらの後処理と我が家の借家移転の裁判問題、女房に苦労を掛けながら、何とか一つ一つ解決していきました。
悲惨な状況の中、暖かい嬉しい話もたくさん有りました。全国からボランティアの方々がこれほど多く参加して、あの寒空の中、真っ黒になりながらお手伝いして下さった姿。私の家は六軒並んだ木造二階建ての借家住まいであった。それまでは挨拶をされても、どちらさんだったかな?と言う程度のお付き合いでしたが、ともに生きていたと言う喜びは、肩を抱き合い、飛び上がって喜ぶ様はまるで兄弟のようでした。
震災のなか悲しみに出会わなかった人はいない。しかし震災の中、人の優しさに出会わなかった人もいないであろう。あの優しさ、あの胸を打つ人々の互助の精神。あの厳しい環境の中、あれほど,他人を大切に出来る心が生まれる。人間決して捨てたもんじゃないぞ。
富と便利の時代に、決して忘れてはいけないように思います。