私のQOLを高めるとは

marichan22006-04-15

  • 酸素飽和度     97%
  • 脈 拍 数      82     
  • 血   圧      121/72
  • 徒   歩      2385歩
  • 体   重      66.8kg
  • 体   調      好調 外歩き不足

自分にとっての、Quality Of Life(生活の質)の向上について、思いつくままに書き綴ってみよう。QOLの向上を考える前に、自身の置かれている状況や環境を、冷静に把握しておく必要がある。私の病状は非常に説明がしやすい。肺気腫により在宅酸素療法を施療して7年目、これで大体ご理解いただける。この病気の特質は、病状が今より治癒することは無いと言う事である。拡張し破壊された肺胞は再生されることはないのだ。作動時の息切れ、急性憎悪、余病罹患予防、24時間要酸素吸入、この課題を持ってQOLの向上に取り組まねばならない。
余談ではあるが、HOT生活を始めて2年目の春、友人2人と食事をしたときの話である。一人は直腸がんが内臓転移し手術後半年、もう一人は糖尿病で人工透析を続けていた。この3人が互いに冷静にそれぞれの病気でどれが一番なりたくないか論争をした。2票入れば負け。それが私であった。笑ってごまかしたが結構ショックを受けた。二人とも今はもういないが、そう見えたようだ。
このような状況で私が出来るQOLの向上への努力とはどういったことであろう。QOLの向上とは『患者の日常生活の充実感、満足感をいかに高めていくか』といわれる。私はありがたいことに『不便』は沢山あるが『不満』はない。病気も明らかに自業自得である。中3の時から吸い続けたタバコが(その上、仕事仕事と言い訳をしながら不摂生を続けた)明らかな原因である。感謝こそあれ不満などない。私の『生活の質の向上』を考えるとき、自分に残された寿命の中で、いかに人生のチャンスや可能性を広げていけるかである。幸いにも親に似ず二人の子供は自立独立し、私を励まし叱ってくれる。健康(?)な妻は『私の心配は要らないから自分のことを考えて』と言ってくれる。周辺環境の整理はできた。
私の残る人生のチャンスとは、何の可能性を広げてゆけばいいのか。HOT生活を始めて7年、俳句、絵手紙、デジカメ、猫、散歩、喫茶店、読書、ネットサーフィン、花、鳥、ドライブ、色々出来そうな事はやってみている。どれもチャンスや可能性が広がるようなわくわくするものはない。これでは人間としての存在を感じられない。仕事をしていた時は、仕事そのものが社会への関わりであり社会への貢献になっている。仕事の中でチャンスも可能性の広がりも含まれている。人との関わりも少なく趣味に逃げ込む中には、オタクのような広がりのない生き方になってしまう。HOT生活7年の中、自分が心の底から感動した時、勇気が湧いた時、大声で笑えた時、また頑張ろうと思ったとき、涙が零れて止まらなかった時、どの時も人々との関わりの中で感動を受けている。すなわち、どのような障害があろうと、外に出にくかろうと、『生活の質』の向上を図るには、社会の中で、人々の中で、どのようなわずかな貢献でも良い、それを実感できる生き方の中にのみ、私はQOLの向上があるような思いがする。具体的にはHOTの皆様と語り合ったり、励ましあったりする中で、社会での認知が遅れている内部障害者のお役に、少しでもお役に立てるならと願っています。桜も強い風に舞い散っていました。また来年、満面の笑みでお花見を!

         春時雨  酸素ボンベに  花模様